雲の湧き上がるように。


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走り、そして眠る。
自転車を買った。
近所の西友で安いのがあったから。

なんでこんなに安くなるのか不思議ではあるが
乗ってみたら分かった、
ハンドルが自由自在にタテに回ってくれる。

なめとんのか。

危なっかしくてしょうがないので
修理してもらおうと思ってもってったら
自転車担当は今の時間いないのだという。

かといって、
買ったのに乗らないのは血がざわついてしまうので乗り回すことにする。

三条商店街をくぐりぬけ、
烏丸を疾走し、ハンドルが一回転しそうになったあたりで
見渡せば飲み屋の並ぶ木屋町にたどりつく。

いったい俺は何をしているのだろうと思う。
まだ、引っ越しの疲れも残っているのに。
ネオンは色々と酒やら女やらで誘おうとするけれど金もなし。
仕事をやめてまで京都に何をしに来たのだろう。

や、表向きは分かっている。
というか、来た理由は知っている。
何かをしようとして来たのである。

で、それができなかった場合、俺は何をしに来たのか
それでも分かるのか。
すこし先に鴨川がある。
あそこの橋の下には、
もしかするとお前がしたかったことにするであろう
住処があるんじゃないか。

橋の上には
「オランダから論文を書く為に来ました」と
書き添えてある横で、三味線を弾く外国人がいた。
小銭と千円札がすこし入っていた。

しばらく眺めていたけれど
目が合う前に立ち去り、遠くへ遠くへ逃げ去るように遠くへ
木屋町を北に上り、キャッチの群れをかいくぐっていく。
いつかのときと代わり映えのしない街並。

懐かしんでいる。
いまだ懐かしんで、ここに立っている俺はぼけているのではなかろうか。
あの時の自分にケジメをつけるだとか、
そういうことはとても些末なことだ。

そう言い捨てたところで、
いつまでも台詞はこの街並のようにまとわりついている。

信号が青に変わる、前に走り出した自転車を追い越して、
さらに加速しようと握りしめたハンドルが
くるりと回ってつかめなかった。
あわてて握ったのは自分の親指で爪の食い込む感触があった。

痛い。

痛いのがなんだ、と思ってペダルを漕いだとしても
俺が寝たら、体はこの傷を治そうとするのだろう。
明日は自転車を修理に出そうと思う。

大丈夫。
俺は痛みも疲れもよく感じている。
遠くまで走れるはずだ。

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オランダで群れとか自由自在などを疾走したかった。


| BlogPetのらっかせい | 2005/10/31 12:54 PM |









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