雲の湧き上がるように。


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妄想列車2
とある電車で見かけた人。

スネ夫の髪型みたく
前方に平たく張り出してる髪の毛は
もちろんリーゼントではなく、
なんかそういう直毛なんでしょう。
あるいは、カッパという生きものは
皿ではなくて、皿のような髪の毛なのかもしれないので
たぶん、彼はカッパです。

そのカッパは
暖かそうなダウンジャケットを着込んでいて
ショッキングピンクがさっと
グレーの中にラインを引いてあり、
だいぶおめかししてます。
たぶん、カッパの中でも裕福な生まれなのでしょう。

人が色々な目的で電車に乗るように
カッパが電車に乗る目的というのも色々あります。
移動はもちろんのこと、
人間社会の観察であり、
人間社会の征服であり、
あるいはまた、カッパのメスに飽きて
人間のメスを探しに来たのかもしれません。
カッパ社会でもおそらく電車男はヒットしてるでしょうから。

でも、彼のスニーカーのくたびれ具合を見ると
川からあがってだいぶ経つようにも見えるし
あるいは、電車を経由して川に行き、
その度にスニーカーをぐしゃぐしゃにしてしまっているのかもしれません。
いずれにせよ、彼がスニーカーを愛用しているのは間違いなさそうです。

陸を歩くには都合がいいでしょうし、
裕福でないカッパたちの羨望を浴びることもできるでしょう。
あるいはまた、はきつぶしたスニーカーの匂いが
気に入っているのかもしれません。

しかしなんにせよ、
そういった振る舞いを長老たちが快く思うはずもないので
裕福で、社会的によい生まれのカッパであるにせよ、
あまり川には帰りたくないはずです。

川に帰る時には
錦を飾って帰ろうと心に決めているはずです。
だから、彼はこの電車で仕事場に向かうのです。

長老たちに止められながらも
泳いでいった海との境界線で見た色々の魚を捌いて
今日も彼は寿司を握るのです。

現在チェーン店も順調に増えています。
ほとんど成功と言ってもいいにもかかわらず
彼は仕事場で魚を捌き続けます。
帰ることを忘れたわけではないのです。
ただ、そこにほかのカッパたちがやって来ないことが気にかかってしまうのです。
自分が忘れ去られてしまったのではないかという恐れが
彼をひたすらに仕事場に立たせます。

そして、川べりの家と仕事場のあいだの
電車の中でぺたぺたと乾きはじめた髪の毛をさわりながら
通勤するのです。

| 遊歩者のまなざし | comments(1) | trackbacks(0) |
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仕事場とかグレーとかを成功しなかった。


| BlogPetのらっかせい | 2005/12/21 6:01 PM |









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