雲の湧き上がるように。


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ダイアルチェーン
自転車のカギをなくした僕は
翌日、店長にカギをこじあけてもらった。

僕は礼を言って自転車にまたがって帰ったものの
あろうことか、夕飯を食べるファミレスにて
カギをかけてしまう。
習慣って恐ろしい。

がんばった日にはビールを店で飲む。
だから、その日も飲んだのだが
カギをかけた瞬間に気づいたのだから
ずっと落ち着かないまま、くいくいと飲んでしまう。

しばらく徒歩で通勤するものの
いい加減、あほらしくなったので
僕もこじあけてみようかと、
がつんがつんと叩いてみたら、
どんどんぐねぐねになってもはや原型をとどめない。
とてつもなくいびつな形で
意味もなく興奮して
そのまま仕事場まで行くと
かつかつかっかつかつかっ、などとリズムが出て
なおさらにハイな感じ。

でも、たどり着くと
勝手にタイヤのバルブにあたってたのか
空気が抜けている。
これではあんまりなので
ドライバーで完全に取り外す。

すっきりとして
チェーンをつければ
これはこれで、ちゃんと乗れるのだからまぁいい。

数日後、親が来て
部屋にあったCDを持ってきてくれた。
で、今気づくと
どうも、ライヒがない。
ということは、まだ一かたまり実家に置いてあるのだろう。
また、帰らなければならない。

そういえば雪の降る季節になった。
今は降っていない。
だが、今は雪の降る季節であって、
そういうことが案外大切だったりする。

カギをなくした僕は
今はダイアルチェーンをつけて自転車に乗ってます。

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さようなら2004
目が覚めるとそこは雪国だった。
僕が住むこの白い箱は列車ではない。
でも、四季をかけめぐって今年度最後の連休に雪が降った。

昔の恋人が雪なんて三日で飽きると言ったが
僕は飽きないと言った。
だからこの雪は三日以上降るべきだが、どうだろう。
そこまでリクエストに応えてくれるだろうか。

親が来るから片付けなくては、と思って
彼らの到着一時間前にようやく
ヒビの入った体を引き起こして
ジョビンのトリビュートをかける。
ややサイケデリックなスパイスが入って
僕の好きなフォトショップでハイライトあげて
カットオフかけて、みたいな作り物の音像が
力の抜けたリズムで響く。

2004年最後に見た朝の風景はあまりにできすぎていて
僕はしばらく呆然として、おいしいコーヒーが飲みたいと思った。
僕は、ありきたりに、デフォルメされたぐらいありきたりに
今日をはじめなくてはならない。

そして、さようなら2004

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風呂にたゆたう
電話代が安くならない?
あぁ、僕もだ。

まったく、どうしてくれるんだ。
別にどうしろとも思わないけれども、困るね。

風呂に入ると
自分の体が歪んで見える。

首から下に見える部分が
自分の感覚をよそに
10センチほど上にあがって
15センチほどむにょーんと伸びてる。

何かかけ違えただろうか。
「お客様のおかけになった電話番号は・・・」
いや、そんなセリフは聞いてない。

ちゃんとつながったはずだ。
しかし、つながればいいというものでないのが
確かである以上、何か歪んでしまったのだろう。

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さようならパオレ
昨日はパオレが最後のイベントだって言うから
仕事あがりに飲み会だけ参加しにいった。

馬鹿馬鹿しいテンションだった。
細かいことは何も覚えてない。
気づいたら靴が同じブランドの違うものになってた。

しゃーない。

しみったれにはならなかったが
それも一次会の話で
二次会は僕がおごると言って4人、
むっちゃくちゃにしみったれてたりした。

しかも店内リーディングしてたし。
やな客だなぁ。
でも、あの時、言葉を流すか
涙を流すかのどちらかだったんじゃないだろうかと思う。

僕は泣けないので、
しゃべり続けるしかなかった。

カラオケに転がりこんで
ぐらぐらする頭を抱えて、寝る。
起きると独り黙々と歌っていた勇姿があったので
僕も歌い出す。
声がすでに枯れかけていたので
エモーションだけで歌った。無茶な。

そして、五時になり、追い出され
体がだるいので喫茶店に入る。
24時間タナカ珈琲。
二階の奥の席に陣取ってやはり、寝る。

そして、ふと起きて
隣の女の子の唇が思いのほか形のよいことに気づいて
あれこれいらない知識をしゃべりつつ
あとの二人が寝てるのを見計らい
酔った頭で唇が欲しいなぁとかおねだりしてみる。

さすがに人として強行手段はとらないのだけれども
良識はなかったな。うん。
あ、もちろん了承などえられず。
(苦笑)→(後退)みたいな。

8時近くなってようやく動き出すことにする。
外も明るい。ただ、ひとりはもうしばらくいるという。
独りの時間も必要だろう。そうだろう。初期メンバーだしな。

すでに残り三人は部外者でしかない。
いや、パオレという団体が解散するなら
世界には部外者しかいない。

まだ、朝だと言うのに日差しはきつくて
自動車の地響きが頭に響く。
黙々と歩いて最後に二人と握手をして別れる。

あぁ、昨日今日と握手ばかりした。
この手は確かに時間をつなぎとめていて
そして、時計の針を動かしてきた。
時間が経つのは早い。
そりゃ僕がいくつもの握手をしてきたからだ。

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居着く。
することは山ほどなのに
充電のため京都市内をふらふら。

お気に入りの中古CD屋で4つほど買って
散髪に行く前にライナーノーツなんか
どうなってんだろうと思って
カフェに入る。

商店街近くの小さな入り口のそこは
奥行きがあって、小さな庭があった。
典型的な京都の建物。

ちょっと変わってるのは
エントランスを抜けてすぐに
骨格のしっかりした階段があること。

京都のは、どちらかというと
最初の入り口からの通路は背筋を伸ばしたように
なっている印象があったので
妙に質量を感じる。
視界がさえぎられて
それを抜けると
夜はバーになるカウンターが見える。

あれ、人がいないや。
「すいません」

はーい、ってな感じで
女の子が出てくる。
昼は暇なんだな、ここ。

でも、だらだらとした雰囲気はない。
きちっとしたシャツのせいだろうか。
かちっと髪を抑えているからだろうか。

普通のホットコーヒーを頼むと
ちょっとしたお菓子がついてきた。
おいしい。

店内にはボッサが流れてる。
ありきたりなものだ。
さっそく買ってきたCDを広げてみるが
なんとなくせっかく一対一だからと思って
女の子と話してみる。

僕はてっきり専属スタッフだと思ってたのだけど
どうも大学生のアルバイトだったらしい。
そして出身は京都ではないらしい。

大学があるから
あちこち集まってくるしね。

京都って憧れ持ってる子が多いし。

なんか一度気に入っちゃうと離れにくいしね。

こないだのお客さんで
愛知から毎月京都に来てる方がいらしたんですよ。

へー。

愛知よりも京都のほうが詳しいわよ、って言ってました。

ははは。

一度愛着ができてしまうというのは
面倒ではあるけれども、
それが何かの力になるのは確かにそうだ。

どこかに居着いてしまう。
故郷はどこか、だなんて関係なく。

名前を聞いておきたくなったが
次のお客が来たので
長居をしたね、と言って出た。

その時「わたしの、ですか?」と
聞かれたのは名前を教えてくれるつもりだったのだろうか。

まぁ、いい。
次に行けばいいのだから。

髪を切って
そして映画館に行く。
「誰も知らない」そうだ、そんな映画もあった。

見ると、最初から最後まで
悲しくて仕方なかった。
(詳しくは参照)

疲れのたまっていく部屋。
疲労はなによりも、モノや周りにたまっていく。
先送りは利く。しかし先送りは先送りだ。
疲労は部屋が身動きならなくなり
外で生活するほかなくなると自分にたまるしかなくなっていく。

逃げるように街に出てきた自分は
いったいなんだろうと思う。
あぁ、部屋に帰らなければ。

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一泊帰省/生きること/手放せないもの
帰ってきました。

もはや、どちらも帰ってきた
と言えるくらいの感じに。

実家と言えども
それはより厄介な人がいるという程度で
場所にたいしてはほとんど変わらない感慨である。

いや、むしろ実家は帰ったというより
もはや、あそこに僕の生活はないのだから
行ってきた、ということになろうか。

高校の同窓会があった。
男子高だからまったく華がないのだが
色んな人がいて色はある。
何かが変わったというよりも、
着実に年をとって、その人の濃度がより高まっているようで
待ち合わせの場所でもすぐに誰が誰だか分かる。

どんどんその人が、その人らしさを増していく
というのはその人に何かが備わっているというわけでないとしたら
相変わらずのその人らしさを見ている僕も
相変わらずなのだと、そう思う。

相変わらず、僕はいっぱいいっぱいです(苦笑

***

楽するために生きているのではないと思う。
そして、時々口ずさむ。

どうしても気力がきつい時はある。
そういう時に。

なら、なんのために?
繰り返し、繰り返し
自分をそうやって作り直す。

なんのために、と考えるたびに
散り散りになりそうな自分の感覚を
系統立て、整列させ、
僕を独りの人間に仕立てあげる。

僕はメンタルが弱い。すぐに崩れる。
ただ、何度でもしつこく問い直せるだけで。
問い直すということでかろうじて
生き続けているようなものだ。
それが僕のとりえならば
僕のとりえというのは
絶対に楽などするようにはできてない。

まったく困ったものだ。

***

もの思う紙束の原稿が集まってきてます。
色んな人の「手放せないもの」についてを読むと
その人がなんとかして生きてきた感じを見ることができる。

人が生きているというのは
なんてややこしい事実だろうと思う。
「手放せないもの」は
ややこしさをどこかに集約させて
改めてそれを明白にさせる。

あと原稿は二つ。
さてさて、編集が楽しみだ。

| 感情の風景 | - | - |
夜道 随想
たまには自分の詩の解説をしてもいいだろうと思う。
そのためには少しその日のことを書くべきだろうとも思う。

大阪の店のヘルプに行った帰り道。
梅田の地下街の店もほとんど閉まっており
その梅田を抜けて戻ってきた田舎の駅のあたりで
あいているのもコンビニとわずかな居酒屋。

コンビニの前でたむろしている男女
というより、ガキ。
何故か浴衣が多いので祭りでもあったのだろうかと思うが分からない。
わからない、ということは僕が地元の人間でない証拠のようだ。

車通りすらまばらで
駅から少しいくと
歩いている人などいない。

その日のことを思い出しながらペダルをこぐ。
自転車はとりあえずまっすぐに進む。

僕がヘルプに行っている店の店長は
今、僕がいる店の店長だった。
つい最近、入れ代わったのだ。

そして、だいぶ疲れているようだった。
ずいぶん、いいオッサンであるが
気のいい分、どこか気の弱いところもある気がする。
あるいはどこかで何か諦めているような。

新しく移った店での評判はよくないらしい。
いわくいい加減だ、ということで。
でも、それは何かを知らないせいではなくて
伝えることをどこか諦めているせいである気がする。

別におもてむき
そんなところを出すわけではないが
呑み込んでいる言葉の多さはなんとなく感じられる。
訳の分からない冗談を言うのは
呑み込まれた言葉のかわりだ。

踏み切り待ち。
踏み切りの音は
なんであんなにも不安をかき立てるような
不協和音なのだろう。
不透明な響き。

不協和音は和音の隙間が不安定で
うまく積み上げられなかった塔のようだ。
その隙間というのは
呑み込まれてしまった言葉が
落ちていく沼のようでもある。

言葉たちは拾われたがっていた。
そして、僕がその言葉を背負えなかった事実に気づくと
もはやその場所にはいれなくなってしまうのだ。

***

この詩は
その踏み切りの音を聞いて
「不透明に響いている」
というフレーズが口からこぼれたので出来た。

サイレンーサイレンス
という言葉遊びはむしろ後から出てきたものである。

ただ、口にすると分かると思うが
「不透明」も「響いている」も
ニ音目の母音が続いており
それがずずっと迫るようなリズムを作る。

踏み切り信号の不吉さだけでなくて
この最初のフレーズそのものも
結構無気味な音を持っている。

何度か口ずさむうちに
リズムが出てきて
自分でくちずさみながらぐらぐらしてくる。

言葉をリズムにのせると
そこからリズムの裏に入ることもできるようになる。
そうした時にぐらつく感覚は
不協和音の不安定さと似つかないこともないだろう。

あの詩に空白が多いのは
そうしたリズムを文字に落とそうとしたからだが
はっきりいって、即興的に
リズムを作ったほうがやっぱり面白い。

だから、この詩は文字より
圧倒的に朗読向きなんであって
そのせいで解説を書くべきだと思ったんである。

***

不透明に

響いている

不透明に

響いている

サイレン



サイレンス



不透明に

響いている
サイレン
不透明に

響いている

サイレンス



サイレン


ずたずたになった月

響いている

不透明に

深く青く

サイレン

サイレンス



サイレン

逃げろ

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